見積書を前にして、
どこまで残して、何を削ればいいんだろう
と分からなくなる。
実家を二世帯住宅にリフォームする費用を調べていると、そんな状態になりませんか?
私も、見積書を前にとまどってしまった経験があるので、よくわかります。

こんにちは。
二世帯と向き合って20年以上。
“やめた側”も”戻った側”も
経験済みの\はなまめ/です。
私は10年以上の完全同居を経て、一度家を離れました。その後、生活を分けるリフォームをして戻り、再同居して数年になります。
先に、私がたどり着いたことを書いておきますね。
私の場合、何を解決するための工事なのかを整理したことで、費用をかける場所の優先順位が見えてきました。
この記事に書いてあること
- 私の場合にかかった費用と、工事の範囲
- 何を分けるために、その費用を使ったのか
- 予算のなかで分けなかったものと、見積もりの前に整理したこと
読み終わるころには、見積書の数字を「高い・安い」だけでなく、「何のための費用か」で見られるようになるはずです。
この記事の金額が、ほかの家にもそのまま当てはまるわけではありません。
わが家の場合の工事範囲と実費を、何に費用をかけるか考えるための一例として読んでください。
二世帯リフォームの費用は、何を分けるかで変わる


見積書を見る前に、うちの場合は何にお金がかかるのかを知りたい。
調べるとすぐ出てくるのは、住み方のタイプ別の相場です。
全部を分けるほど高くなり、共有する部分が多いほど抑えられる。これは、そのとおりだと思います。
二世帯リフォームの費用は、どこまで分けるかと、いまの家の状態で大きく変わります。
同じ「二世帯にする」という言葉でも、中身はまったく違います。
- 水回りをどうするか
- 家の中に線を引くのか、引かないのか。
- もとの家がどんな状態か
この組み合わせが家ごとに違うため、二世帯リフォームの相場には大きな幅があります。
ただ、相場の数字をいくら眺めても、自分たちの見積もりが「何のための費用なのか」は分かりません。
同じ金額でも、何を解決するための費用かは家によって違うからです。
高いのか安いのかを判断する前に、それが自分たちの困りごとに効くのかどうか。そこが分からないままだと、数字だけが大きく見えてしまいます。
そこで私たちは、家全体をどう変えるかという話より先に、毎日のどこを分けたいのかを考えました。
私たちは、生活の何を分けるために工事したのか


全部を変えられないなら、毎日のどこから変えればいいんだろう。
私もそこで止まっていました。
私の場合、目的は家を立派にすることではなく、生活の遠慮を減らすために境界線を作ることでした。
完全同居のころ、いちばん削られていたのは「休むはずの時間」でした。お風呂の順番を気にする。誰かの気配がある場所でくつろげない。ひとつずつは小さなことなのに、毎日続くと積もっていきます。
だから工事で考えたのは、次の二つでした。
- 水回りを自分たちのタイミングで使えるようにすること。
- 扉や間仕切りで「ここから先は自分たちの空間だ」と思える線を作ること。
設備を新しくしたかったわけではないんです。遠慮していた時間を、遠慮しなくていい時間に変えたかった。 それが費用をかけた理由でした。
戻る前に、なぜ境界線を変えることにしたのかはこちらから
👉️「同居解消後、それでも再同居を選んだ理由。戻る前に変えた境界線」
二世帯リフォームの実費|何を分けるために払ったか
何にいくらかかって、暮らしはどう変わったんだろう。
ここからは、私の場合の費用を書いていきます。
費用は、設備の名前ではなく、生活のどの遠慮を減らすためだったかと一緒に記録しておきます。
そのほうが、あとから見返したときに意味が分かるからです。
なお、数年前の工事のため、いまの金額とは違うと思います。 資材も工事費も動いているので、金額そのものより「何にいくらくらいかかるものなのか」の感覚として読んでもらえたらと思います。


水回り:自分たちの時間を作るため


水回り(浴室・キッチン):200万円台
いちばん変えたかったのがここです。
お風呂の順番を気にしなくてよくなること。使いたいときに使えること。毎日のことなので、ここが変わると生活のリズムそのものが変わりました。
同居していたころは、夜に「そろそろ入っていいのかな」と考える時間が、毎日ありました。
声をかけられるほどの用事でもないし、聞くほどのことでもない。でも、その小さな確認が毎晩あるんです。それがなくなっただけで、夜の過ごし方が変わりました。
金額だけ見れば、決して小さくありません。工事としても、いちばん大きくなった部分でした。それでも私たちにとっては、「毎日の遠慮を減らす」という目的にいちばん直結する場所だったんです。
もし予算の都合でどこかを削るとしたら、ここではないな。見積もりを見ながら、そう思っていました。
扉・間仕切り:休める場所を作るため


扉・間仕切り:20万円ほど
水回りに比べると、金額としては控えめです。でも、暮らしへの効き方でいうと、こちらも大きかった。閉めれば「ここからは自分たちの時間」と切り替えられる場所ができたからです。
音が完全に消えるわけではありません。 気配も、まったく分からなくなるわけではない。
それでも、気持ちを切り替える場所があるかどうかで、私の休み方はずいぶん違いました。
音や気配まで完全に遮ろうとすると、わが家の場合は、さらに大きな工事が必要でした。
私たちが求めていたのは、そこまでの遮断ではなく、「ここから先は気を使わなくていい」と自分で思える線のほうでした。
暮らしを分ける工事というと、大きな設備の話に聞こえます。でも実際に効いたのは、こういう地味な部分だったりするんです。
その他にかけた費用


電気工事・内装など:40万円ほど
暮らし始めてみないと分からないことも多くて、ここは「必要になったら考える」と割り切った部分もあります。全部を一度に決めきらなかったのは、いま思えばよかったのかもしれません。
工事の前は、できるだけ完璧な形にしておきたくなります。もう一度工事するのは大変ですから。でも、住んでみて初めて「ここは気にならなかった」「むしろこっちが気になる」と分かることがありました。
振り返ると、先に全部を作り込まなくてよかったと思っています。
予算のなかで、分けなかったもの


全部を分けられないなら、どこを残しても暮らせるんだろう。
正直に書くと、すべての気配や音が消えたわけではありません。
共有したままの部分も残りました。
予算には限りがありましたし、そもそも全部を分けることが目的ではなかったからです。いくつかの事情が重なって、いまの範囲に落ち着いた、という言い方がいちばん近いと思います。
優先したのは、日々の遠慮に直結する部分でした。
毎日必ず使う場所、毎日必ず気を使っていた時間。そこから順に考えて、それ以外は「いまはこのままでいい」と決めました。
決め方はシンプルで、「これがこのままだと、来月も同じことで気疲れするか」を考えただけです。
答えが「はい」なら先に手を入れる。いいえなら残す。年に数回しか起きないことは、後回しにしました。
扉と間仕切りの費用が大きくならなかったのも、同じ考え方の結果でした。
撤去しなければいけない間仕切りがなかったので、壊す工事が発生しなかったんです。
それに、もとからあるものを活かせた部分もありました。ゼロから作り直すのではなく、いまあるものをどう使うかで考えた。だから工事そのものが、少なくて済みました。
これは私の家がたまたまそういう状態だった、というだけの話です。もとの家がどうなっているかで、同じことをしても金額はまったく変わると思います。
不思議なもので、残すと決めてしまうと、気にならなくなる部分もありました。「いつか直せる」と思えていると、同じ状態でも受け取り方が変わるんです。
我慢しているのか、選んで残しているのか。その違いは、暮らしてみると意外に大きいと感じました。
これは妥協や失敗ではなく、そのとき選んだ範囲だと思っています。
分けなかった部分については、「このままで困ったら、もう一度考えよう」と家族で持ち越しました。
最初からすべてを決め切らなかったことで、暮らし始めてから調整する余地を残せたのだと思います。
暮らしは変わっていきます。だから、いま完璧にすることより、あとから調整できる形にしておくことのほうが、結果として楽なのかもしれません。少なくとも私の場合は、そう感じています。
もちろん、どこを残すかは家によって違います。私が後回しにした部分が、別の家では真っ先に直すべき場所かもしれません。大事なのは順番そのものではなく、自分たちの順番を自分たちで決めたかどうかなのだと思います。
生活をどこまで分けるかを考えたい方はこちらもどうぞ
👉️「二世帯住宅の完全分離でも後悔はある?分けて解決すること・しないこと」
【見積もりを比べる前】先に整理する3つのこと


見積もりをもらってからでは、何を聞けばいいかも分からない。
そう思っている方へ。
見積もりを比べる前に、何を分けたいか、何は残していいかを整理しておく。
これが、いちばん効きました。
私の場合は、複数の会社から見積もりを取って比べました。ただ、比べられたのは「先に目的が決まっていたから」だと思います。
目的がないまま数字だけ並べても、高いか安いかしか分かりません。同じ工事をしているかを見るには、自分たちの基準が要るんです。
リフォームの契約前には、目的や予算を整理して、見積もりの内容を比較することが大切だとされています(国民生活センターの案内より)。
数字を比べる前に、まず自分たちの目的を明確にする。順番はそこからだと思います。
そこで、自分たちは何を解決するために費用をかけるのかを考えました。
整理したのは、次の3つです。
- 毎日のどの時間に、遠慮や気疲れが生まれているか
- その遠慮を減らすために、何を分けたいか
- 予算のなかで、いまは残しても話し直せるものは何か
紙に書き出してみると、思っていたより数が少ないことに気づくかもしれません。私もそうでした。
漠然と「この家は暮らしにくい」と感じていたのが、書いてみると具体的な場面に絞られていったんです。
それに、この3つを先に整理しておくと、家族と費用の話をするときも入口が変わります。
いきなり金額や負担の話から始めると、どうしても身構えてしまいますよね。
そうではなく、「毎日ここで気を使っている」という話から始められる。
何のための工事なのかが共有できていれば、そのあとの相談も進めやすくなると思います。
相場の数字だけでは、家の中の困りごとは決まりません。私にとって費用を考える時間は、何を分けて暮らすかを考え直す時間でもありました。
すぐに工事の答えを出せなくても、先にできることがあります。まずは、いまの家で何に気を使っているかを書き出してみてくださいね。
(あなたの状況に近いところから、次へ)
- 戻る前に何を変えたかを知りたい方
👉️同居解消後、それでも再同居を選んだ理由。戻る前に変えた境界線 - 生活をどこまで分けるか考えたい方
👉️二世帯住宅の完全分離でも後悔はある?分けて解決すること・しないこと - 別居中のお金の現実を知りたい方
👉️同居を解消したいけどお金がない。ローンと家賃の二重払いで別居した実例 - 同居から別居、再同居までの経過
👉️二世帯住宅で後悔→同居解消→再同居。20年以上向き合った記録 - 入口(玄関)の分け方
👉️二世帯の玄関をどうするか - プロフィール「はなまめのこと」
📖参考にした情報源
国民生活センター「【リフォーム】契約までの流れと注意点を知りたい。」
リフォームの目的と優先順位を明らかにすること、予算を決めること、相見積りであることを伝えて複数の事業者に依頼し、見積書の工事範囲や項目を確認して比較することについて
この記事は個人の体験と見解であり、特定の選択やサービスを推奨・批判するものではありません。制度や費用は執筆時点の情報です。ご自身の状況に合わせてご判断ください。



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