義両親との同居を解消したい。
でも、お金がない。
貯金の残高を見るたびに、「やっぱり無理だ」と答えが先に出てしまう…
そんな夜を、私も何度も過ごしました。

はじめまして。
二世帯と向き合って20年以上。
“やめた側”も”戻った側”も経験済みの\はなまめ/です。
私は同居10年超のあと、家を残したまま、賃貸マンションへ別居した経験があります。ローンと家賃の二重払いで貯金は毎月減り続けましたし、礼金や家電の買い直しも重かった。
正直、楽ではありませんでした。
総額は、家族のプライバシーもあって公開できません(そこはごめんなさい)。
でも、目安になる数字はお伝えできます。賃貸契約の初期費用は、一般に家賃の2〜6か月分といわれています(参考: UR賃貸住宅「引っ越しにかかる初期費用の相場と内訳」)。
・引越しや家電の買い直しのこと
・毎月の二重払いがどう重なった?
(私の実例に沿って整理しました)
読み終わるころには、「何にいくらかかるか」ではなく「何にお金がかかるのか」が分かって、自分の家計に置き換えて考えられるようになるはずです。
私の場合は義両親との同居でしたが、実のご両親との同居で悩んでいる方にも、お金の部分はそのまま読んでいただけると思います。
それからもうひとつ。これは同居解消をすすめる記事ではありません。私の場合の記録として、読んでください。
先に結論。お金がなくても別居はできた。でも楽ではなかった
私の場合、同居解消は「お金に余裕ができてから」ではありませんでした。余裕なんて、待っていてもできなかったからです。家を残したまま出たので、ローンと家賃の二重払いで貯金は毎月減り続けました。
それでも、別居して距離ができたことで、義理の家族との関係は驚くほど平穏になりました。
私にとって別居は、お金の面では苦しく、心の面では正解だった。
その両方を、隠さずに書いていきます。
・「最初にかかったもの」
・「毎月苦しかったもの」
・「お金がない中の工夫」の順で整理します。
(同居から別居、その後までの全体の流れは、一本の記事にまとめてあります → 「二世帯住宅で後悔→同居解消→再同居。20年以上向き合った記録」)


同居解消で最初に必要だったお金
まず、お金がかかる場面を整理しておきます。ざっくり4つに分けると、こんなイメージです。
| 時点 | 見る費用 | この記事での実例 |
|---|---|---|
| 契約時 | 礼金・仲介手数料・前家賃など | 礼金は家賃2ヶ月分超、仲介手数料 |
| 引越し時 | 引越し・家具・家電・生活用品 | 繁忙期の割増、冷蔵庫や洗濯機の買い直し |
| 毎月 | 住宅ローン・家賃・共益費・新居の生活費 | ローンと家賃の二重払い |
| 予備費 | 設置・買い足し・不用品処分など | 入居後に必要になったもの |
ひとつずつ、私の実例に沿って見ていきますね。
賃貸の初期費用。礼金は家賃2ヶ月分超だった
私が借りた賃貸マンションは、共益費込みで月10万円弱でした。
契約時にまずかかったのが、礼金。これだけで家賃2ヶ月分超です。仲介手数料は家賃1ヶ月分。幸い敷金はない物件でしたが、それでも契約の時点で、家賃の何ヶ月分ものお金が一度に出ていきました。
物件によっては、ここに火災保険や鍵の交換費用、入居月の日割り家賃と翌月分の前家賃といった費目も乗ってきます。
「まず契約だけで家賃数ヶ月分」。ここが最初の山でした。
引越し費用。繁忙期は割増で、日程も組みにくい
引越しの時期が、ちょうど繁忙期にあたってしまいました。料金は割増になりやすく、希望の日時になかなか引越しが組めなくて、けっこう困ったんです。時期を選べるなら、繁忙期を外すだけで負担は変わると思います。
費用を抑えたくて、一括見積もりも使いました。比較できたのは便利でした。ただ、申し込んだとたんに電話が鳴り始めて、正直びっくりしました。便利だけれど、心の準備をしてから申し込むのがおすすめです。
家電と生活用品の買い直しが、想像以上に重かった
見落としがちで、実際いちばん見落とせなかったのがここです。元の家のものは共用だったので、ほとんど持ち出せません。
冷蔵庫や洗濯機のような大型家電。カーテンや食器棚、ダイニングテーブルのような生活用品。炊飯器やレンジのような、毎日使うもの。細かいところでは、カーペットやポット、お風呂の桶のような小物まで。ひとつひとつは大きくなくても、数が積み重なっていきます。
いちばん痛かったのは、冷蔵庫です。大型家電は値段も張るうえに、ないと生活が始まらないので、後回しにできない。一式そろえると、それだけでまとまった出費になりました。これから試算する方は、「家賃と初期費用」だけでなく「生活の立ち上げ費用」を、ぜひ別枠で見積もってみてください。
毎月重くのしかかった、ローンと家賃の二重払い


家を残したまま出ると、支払いは二重になる
初期費用は一度きりですが、こちらは毎月です。
同居のために建てた家には、ローンが残っていました。売る・貸すという判断は、すぐにできるものではありません(この問題は別の記事で書きました👉️「同居のために建てた家、どうする」)。だから別居中は、ローンと家賃の支払いが毎月並びました。
「ローンがあるから無理」と考えて止まっている方も多いと思います。その感覚は、正しいと思うんです。数字だけ見れば、うちも無理に見えました。実際、楽ではなかった。ただ、私の場合、別居は結果として数年で、ずっと続く前提ではありませんでした。「いつまで続けるか」の目安があるかどうかで、二重払いの重さは変わってきます。
貯金が毎月減っていく感覚は、想像以上にしんどい
ローンと家賃の二重払いで、貯金は毎月減り続けました。
通帳の残高が、毎月少しずつ減っていく。この感覚は、私の場合、想像していたよりずっとしんどいものでした。何か大きな買い物をしたわけでもないのに、確実に減っていく。平穏な暮らしと引き換えに、その不安はずっと胸の奥にありました。
それでも続けられたのは、「何のためにこのお金を使っているのか」がはっきりしていたからだと思います。距離のため。関係を立て直すため。目的があると、減っていく残高の意味が、少しだけ変わる気がします。
生活費の一部は負担してもらっていた。それでも苦しかった
正直に書いておきますね。生活費の一部は負担してもらっていました。それでも、貯金は減り続けたんです。
誰がいくら、という話はここには書きません(書けません)。ただ、「多少の支えがあっても、二重払いの重さは消えない」ということだけは、これから考える方に正直に伝えておきたいと思います。
お金がない中で、実際に工夫したこと
乾燥機がない。突っ張り棒と除湿機でしのいだ
借りた部屋には浴室乾燥がなくて、雨の日の洗濯が億劫でした。乾燥機が欲しくて欲しくて、でも高くて買えない。
それで、洗面所に突っ張り棒を渡して、除湿機を回して部屋干ししました。乾燥機にはかなわないけれど、暮らしは回ります。「完全な解決」ではなく「暮らしを回す工夫」。お金がない時期は、この割り切りにずいぶん助けられました。
食洗機は小さめでも、毎日を確かに楽にしてくれた
矛盾するように聞こえるかもしれませんが、食洗機は買いました。毎日の洗い物がつらくて、ここだけは「節約」より「暮らしを回すための投資」だと考えたんです。設置スペースの都合で小さめのものしか置けませんでしたが、それでも毎日は確実に楽になりました。
ひとつ注意点があります。後付けの食洗機は、賃貸の水栓のタイプによっては取り付け工事ができない場合があります。うちはたまたま設置できましたが、購入前に、部屋の水栓で設置できるかを確認しておくのが確実です。
賃貸でも、ラブリコで空間は分けられた
子どもたちにも、自分の空間が必要でした。でも賃貸なので、壁に穴を開けるような間仕切りは作れません。
そこで、ラブリコと木材で、簡単な仕切りや棚を作りました。完璧な間仕切りではないけれど、視線がさえぎられるだけで、それぞれの居場所ができるんです。寝るときはみんな同じ寝室で、おしゃべりしながら眠る。日中は仕切りで、それぞれの距離を保つ。狭い賃貸でも、距離は「作る」というより「調整する」ものなのだと、このとき学びました。
買い物の負担を減らすサービスにも助けられた
当日注文できて、届く時間帯を細かく指定できるネットスーパーのようなサービスにも助けられました。重いものを運ばなくていいし、外に出る回数そのものを減らせる。節約とは少し違いますが、余裕のない時期に「暮らしの負担を減らすもの」の価値は大きかったです。
お金の話し合いで大事なのは、金額より先に「目的」と「期間」
家族とのお金の話し合いについて、具体的なやりとりはここには書けません。家族のことなので、ごめんなさい。
ただ、いま振り返って「先に決まっていてよかったこと」と「先に決めておけばよかったと反省していること」の両方から、順番だけ書いておきます。
- 何のための別居か(目的)
私たちの場合、これは最初からはっきりしていました。距離を取って、関係を立て直すため。目的が共有できていると、お金の話が「損得の交渉」にならずに済みます。 - いつまで・どこまでなら耐えられるか(期間と限界ライン)
ここは反省側です。貯金が毎月減る前提の暮らしは、「毎月どこまでなら」「いつまでなら」の目安がないと、不安に際限がなくなります。 - 親世帯との生活費は、金額より「何をどちらが持つか」の線引きから
金額の交渉から入ると、お互いに切り出しにくい。負担の線引きの考え方から話すほうが、始めやすいと思います。
これは交渉のテクニックではなくて、わが家の反省も込みの、順番の話です。
それでも、別居してよかったと思っています
ここまで、お金の苦しい話ばかり書いてきました。でも、この記事はここで終わりたくありません。
別居して距離ができたことで、義理の家族との関係は平穏になりました。相手が変わったわけではなくて、変わったのは距離です。近すぎたから擦れていただけだった——この発見は、お金の苦しさと引き換えにしても、私には価値のあるものでした。のちに、いくつかの事情が重なって再同居を選ぶことになるのですが、そのときの土台になったのも、この発見です。


だからこの記事の結論は、「出れば解決する」ではありません。「距離の設計が必要」です。出ることは、そのひとつの形でした。
(お金より先に、限界の気持ちのほうを整理したい方はこちらへ👉️「二世帯住宅で嫁のストレスが限界になったとき」)
今すぐ出られない人へ。家の中で距離を作る道もある
ここまで読んで、「やっぱり今すぐは無理だ」と思った方もいると思います。引越しは無理。でも、このままも無理——その場合に考えたいのが、家の中で距離を作る方法です。
視線を分ける。音を分ける。生活の動線を分ける。私は賃貸ではラブリコで視線を仕切り、のちの再同居ではリフォームで生活そのものを分けました。かたちは違っても、やっていることは同じ「境界線づくり」です。
私の実感では、まず効くのは視線でした。目が合わない場所、見られていない場所が家の中にひとつあるだけで、心の休まり方が違います。大がかりな工事でなくても、棚ひとつ、仕切りひとつから始められます。
この記事では入口だけにして、詳しくは別の記事に書きました。
「二世帯リフォームにかかった実費」/「二世帯の玄関をどうするか」
まとめ。お金がない同居解消で、最初に見る順番
最後に、この記事の内容を順番に整理します。
- 初期費用: 礼金・仲介手数料・引越し(繁忙期は割増)・家電の買い直し。契約と生活の立ち上げに、まとまったお金が一度に出ていく
- 毎月の費用: ローンと家賃の二重払い。「いつまでなら耐えられるか」の目安を先に持つ
- 話し合い: 金額より先に、目的と期間。親世帯とは負担の線引きの考え方から
- 工夫: 買えないものは代替する。暮らしを回すための小さな投資は削りすぎない
- 出られない場合: 家の中で境界線を作る方法を考える
「お金がないから絶対に無理」と決めてしまう前に、「いくらかかるか」ではなく「何にお金がかかるのか」を、一度分解してみてください。
私の場合、別居は楽ではありませんでした。でも、距離ができたことで、家族との関係をもう一度考える余白が生まれました。あなたにとっての「ほどよい距離」を考える材料に、この記録が少しでもなればうれしいです。
(家を売る・貸す問題はこちら → 「同居のために建てた家、どうする」/書き手のことはこちら → プロフィール「はなまめのこと」)


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